事実婚と配偶者居住権北区 A様
人生100年時代。配偶者をなくしてから再婚なさる方も増えています。A様は50歳台でご主人をなくされ、その後紹介された一回り年上の男性と再婚しました。先方には子供が2人いらっしゃいましたし、どちらも高齢だということで、籍は入れずに暮らしています。外見上は普通の夫婦でありながら、戸籍上の届け出がなされていないため、法律上は婚姻関係にない事実婚です。子供や孫たちの反応を考えたり、その他周囲の関係者の理解を得るのが難しい方などは、あえて戸籍は入れなくていい、と判断される方も増えている様です。ただ、事実婚ではお互い相続権が無いことは 認識しておく必要があるでしょう。お互いのために財産を残すためには遺言書を作成して「遺贈」をするしか方法がありません。また、相続税の基礎控除、配偶者控除の有無など、通常の相続とはかなり異なる税法上の取り扱いがなされることも考慮しなければなりません。また 民法改正で、配偶者居住権が作られますが、これも法律上の婚姻を前提にしたものです。